毎日大量の現金を扱う現場では、「速さ」と「正確さ」が命。
そんな現場で活躍するのが、紙幣を自動でカウントするマネーカウンターです。
一見同じように見えるこれらの機械ですが、実は性能に大きな違いがあります。
金種を識別して合計金額まで出せる「紙幣計数機」と、枚数のみをカウントする「マネーカウンター」や「紙幣カウンター」。
この記事では、それぞれの特徴や使い分けのポイントをわかりやすく解説します。
最適な一台を選ぶためのヒントとして、ぜひご活用ください。
紙幣計数機は、紙幣を数えるだけでなく「金種の識別」や「合計金額の計算」など、現金管理を効率化する多機能マシンです。
以下に、紙幣計数機の主な特徴とその利点を詳しく解説します。
紙幣計数機の最大の特徴は、投入された紙幣の金種を正確に識別し、それに基づいて金種ごとの枚数と合計金額を計数・計算する能力にあります。
これにより、複数の金種が混在した紙幣の束でも、一度に正確な計数が可能となります。
紙幣計数機は投入された紙幣の金種を識別しているので、複数の金種がランダムに混在した紙幣の束を仕分けることができる機械もあります。
このような機械は2ポケットマシン・3ポケットマシンと言われ、計数済み紙幣が収納されるポケット (計数済みポケット / リジェクトポケット) が必ず2つ以上あります。
ポケットが複数あることにより、仕分け途中で計数を停止することなくスピーディーに金種の仕分けができます。
1ポケットマシンの場合は異金種 (仕分け対象外の金種) が読み込まれるたびに計数が停止し手でその紙幣を取り出す必要があります。
そのため、1ポケットタイプの紙幣計数機による金種仕分けは現実的ではありません。
![[目的別に解説します] 紙幣計数機の選び方](https://www.jetchecker.jp/wp-new/wp-content/uploads/2022/03/multi_pocket-1024x305.png)
正確に金種を識別するため、紙幣計数機は紙幣を読み取るときに次の情報を読み取っています
・通貨 (日本円、米ドル、etc)
・金種
・紙幣の向き (上下表裏)
読み取ったこれらの情報を元に、以下のような多彩な機能を提供をする紙幣計数機もあります。
金種を仕分ける機能
1000円札から1万円札までがバラバラに混在した紙幣の束を、自動で金種ごとに仕分けることができます。
お札の向きを揃える機能
上下表裏がバラバラに混ざった紙幣束の向きを一瞬でおなじ向きに揃えることができます。
きまった枚数ごとに仕分ける機能
あらかじめ設定した枚数ごとにお札をまとめます。
この機能を使うと、50枚・100枚といった単位ごとの紙幣の束を簡単スピーディに用意することができます。
外国紙幣の計数
日本円だけでなく海外の紙幣とその金種を識別し計数します。
マネーカウンターは、紙幣計数機とは異なり、紙幣の金種を識別することなく、投入された紙幣の枚数のみをカウントする機械です。
この章では、マネーカウンターの基本的な特徴や利点、一般的な使用場面について詳しく解説します。
マネーカウンターの主な機能は、紙幣の枚数を迅速かつ正確にカウントすることです。
金種の識別は行わず、単純な枚数のカウントに特化しています。
当然通貨の判別も行いません。
マネーカウンターは、特定の金種の紙幣がどれだけあるのかを素早く知りたい場合や、金種ごとに仕分け済みの紙幣の束をカウントする際に便利です。
例えば、イベントやフェスティバルの収益を速やかに確認する際や、小売店での日次の売上の確認など、さまざまなシーンで活躍します。
マネーカウンターの最大の利点は、そのシンプルさにあります。
操作は非常に簡単で、特別な設定や手順は不要です。
電源を入れ、紙幣をセットするだけで、すぐにカウントを開始することができます。
紙幣の金種を識別する機能が不要なため、マネーカウンターは紙幣計数機に比べてコストが抑えられています。
そのため、予算に限りがある場合や、金種の識別が不要なシーンでの導入がおすすめです。
ここまで紹介してきた紙幣計数機とマネーカウンターの違いを、主な項目で一覧にまとめました。
どちらを選ぶべきか迷ったときの早見表としてご活用ください。
| 項目 | 紙幣計数機 | マネーカウンター(紙幣カウンター) |
|---|---|---|
| 紙幣の枚数カウント | ○ | ○ |
| 金種の識別 | ○ | ×(識別しない) |
| 合計金額の計算 | ○ | ×(枚数のみ) |
| 通貨の判別 | ○(対応機種) | × |
| 金種ごとの自動仕分け | ○(2ポケット以上) | × |
| 紙幣の向き(上下表裏)揃え | ○(対応機種) | × |
| 外貨の計数 | ○(金種・金額まで) | △(枚数のカウントのみ) |
| 操作のシンプルさ | 多機能なぶん設定項目がある | 電源を入れて置くだけ |
| 価格帯 | 高め | 安価 |
| 主な用途 | 金種が混在した紙幣を正確に計数・集計する | 仕分け済み紙幣の枚数を素早く確認する |
表を一言でまとめると、両者の差は「金種を識別して金額まで出せるか」と「枚数を数えるだけか」に集約されます。
金種がバラバラに混ざった紙幣から、金種別の枚数と合計金額までを一度に把握したいなら、紙幣計数機が必要です。
一方、すでに金種ごとに分けてある紙幣の枚数だけを素早く確認したいという用途であれば、マネーカウンターで十分です。
なお、紙幣計数機の中でも、向き揃えや金種仕分けといった整理機能が使えるのは2ポケット以上の機種に限られます。
多機能を求める場合は、ポケット構成にも注目してください (詳しくは「用途別の選び方」の章で解説します)。
紙幣計数機を選ぶとき、金種識別や仕分けといった「機能の有無」や、「毎分◯◯枚」という計数スピードの数字につい目が向きがちです。
しかし、毎日の現場で満足度を大きく左右するのは、もっと基本的な性能です。
それは「どんな状態の紙幣でも、止まらず・数え間違えずに計数できるか」という点です。
どれだけ高速をうたう機械でも、ピン札や傷んだ紙幣で何度も止まってしまえば、止めて取り出し再開する時間が積み重なり、実際の処理はかえって遅くなります。
逆に、カタログ上の最高速度の差は見た目ほど効きません。たとえば毎分1,000枚と1,500枚の違いは、紙幣1枚あたりにすればごくわずかで、1日に数万枚を数えてようやく数分の差になる程度です。
本当に効くのは、止まらず安定して数え続けられるかどうかなのです。
同じ「計数機」と呼ばれる機械でも、この作り込みの差によって、日々の業務効率や違算リスクは大きく変わります。
この章では、計数の精度と信頼性を決めるポイントを解説します。
意外に思われるかもしれませんが、新札(ピン札)は計数機にとって曲者です。
折れやシワのない新札は人の手では数えやすい一方、機械にとっては逆です。
表面がなめらかで紙どうしが密着しやすく、静電気も帯びやすいため、複数枚が貼り付いたまま送られる「重送(2枚送り)」が起こりやすいのです。
銀行で帯封を解いたばかりの帯封券も、同じ理由でトラブルの原因になります。
紙幣の分離性能が低い機種でこうした密着紙幣を計数すると、枚数が合わない・途中で停止する・紙詰まりを起こす、といった問題が起きがちです。
これはそのまま違算(計算違い)の原因になります。
つまり、計数機選びでは「新札や帯封券のように密着した紙幣を、どれだけ安定して1枚ずつ分離・搬送できるか」が精度の分かれ目になります。
この点で、当社の紙幣計数機ジェットチェッカーシリーズはどの機種でも、新品紙幣や帯封券のように密着した紙幣を安定して搬送・分離できるように作られています。
ジェットチェッカーの計数性能については、ピン札や帯封券を大量に扱う外貨両替専門店でも、詰まらず計数できる安定性が評価されています。
ピン札とは逆方向の曲者紙幣が、使い込まれて傷んだ紙幣です。
シワ・折れ・しなり・破れ・テープでの補修といった紙幣は、搬送の途中で詰まったり、二重に読み取られたりしやすくなります。
業務用の計数機に求められるのは、ピン札と使い古し紙幣という両極端を、どちらも安定して処理できることです。
きれいな紙幣しか正確に数えられない機械では、実際の現場での使用には耐えられません。
ジェットチェッカーは、乾いた紙幣を正しくセットして使用すれば、紙幣詰まりはほとんど発生しません。
3交代制で24時間稼働する警備会社のキャッシュセンターでも、送りローラー等の消耗部品の交換のみで、長期間故障せずに稼働しています。
ピン札や使用済み紙幣が混ざる現場でも、安定して計数を続けられます。
計数の正確さを最終的に支えるのは、「紙幣の搬送異常を検知して計数から除外する仕組み」です。
主なエラーには次のようなものがあります。
・重送:2枚以上の紙幣が重なったまま同時に送られる
・連鎖:紙幣の間隔が詰まり、つながって送られる
・スキュー:紙幣が斜めに送られる
こうした異常を検知できない機械では、エラーがそのまま枚数や金額の誤りになります。検知できる機械は、該当紙幣を計数に含めず、停止やリジェクト(振り分け)で知らせます。
ここで効いてくるのがポケット構成です。
1ポケット機ではエラーのたびに計数が止まり、手で紙幣を取り出して再開する手間がかかります。
一方、ジェットチェッカーDPのような2ポケット機では、エラー紙幣や計数対象外の紙幣が自動でリジェクトポケットに振り分けられるため、計数が中断されず作業時間を大幅に短縮できます。
カタログでまず比較されるのが計数スピード(枚/分)です。
大量の紙幣を扱う現場で処理能力が大切なのは確かですが、ここには2つの注意点があります。
ひとつは、表示されている最高速度が、そのまま実際の処理時間にはならないことです。
ピン札や傷んだ紙幣で重送・紙詰まりが起きて何度も止まる機械では、実効的なスピードはむしろ落ちます。
前述した分離搬送の安定性とエラー処理の仕組みがあって初めて、表示速度に近い実効スピードが出せます。
もうひとつは、速度差そのものが見た目ほど効かないことです。
前述のとおり、毎分1,000枚と1,500枚の差は1日に数万枚を数えてようやく数分の差になる程度で、しかも実際の作業時間は紙束のセットや取り出し、計数結果の記録など人の手の作業にも大きく左右されます。
ジェットチェッカーシリーズは、毎分1,000枚以上(中速モード1,000枚/分・高速モード1,100枚/分)の高速計数を、分離搬送の安定性とエラー検知を保ったまま実現しています。
「速いだけ」でも「止まらないだけ」でもなく、止まらず数え続けられる実効スピードを重視した設計です。
紙幣を扱う現場で気になるのが、偽造券(偽札)への対策です。
「計数機を導入すれば偽札も自動で弾いてくれるのか」と考える方は少なくありませんが、ここは正確に理解しておく必要があります。
ハイエンド紙幣計数機の中には、計数機能と真贋判定機能を兼ね備えた機種も増えています。
紙幣の真贋判定は、本物の紙幣だけが持つ特徴を複数のセンサーで読み取り、基準と照合することで行われます。
一般的には、赤外線・磁気・紫外線・画像解析といった複数の観点から紙幣を検査し、これらを通過しなかった紙幣を偽造券の疑いがあるものとして検知します。
注意したいのは、真贋判定の「精度」は機種によって大きく差があることです。
簡易的な検査しか行わない機種から、巧妙に作られた偽造券まで検出できる高精度な機種まで幅があるため、偽造券対策を重視するなら、判定能力の高さを基準に選ぶ必要があります。
なお、真贋判定はあくまで紙幣の特徴を検査して偽造の疑いがあるものを検知する仕組みであり、どれほど高精度な機械であっても、すべての偽造券を100%検出できるわけではありません。
新種の偽造券や、紙幣の状態によっては検知できない場合もあります。
計数機・鑑別機はあくまで偽造券リスクを低減するための手段のひとつと位置づけ、最終的な確認は人の目視や運用ルールと組み合わせて行うことをおすすめします。
ジェットチェッカーはどのモデルでも、計数と同時に高精度な真贋判定を行えます。
フラグシップモデルのジェットチェッカー DPは、ECB(欧州中央銀行)の認証試験をパスする高い真贋判定能力を備えており、精巧に作られた偽造紙幣であるスーパーノートも検出します。
これは、数えながら同時に偽造券の混入をチェックできるということです。
とりわけ両替ショップ等の偽造券のリスクが避けられない外貨を扱う現場では、計数の効率化と偽札対策を1台で両立できる点が大きな利点になります。
ただし前述のとおり、いかなる真贋判定機能も偽造券の検出を100%保証するものではありません。
重要な現場では、機械による判定に加えて運用面での確認も併用してください。
真贋判定が特に重要になるのは、次のような現場です。
・外貨両替店・金融機関:多様な通貨を扱い、偽造券に触れる機会が多い
・訪日外国人を受け入れる小売店・宿泊施設:不慣れな外貨を受け取る場面が多い
・大量の現金を扱う事業者:1枚の偽造券の見落としが損失に直結する
こうした現場では、「数える」だけでなく「真贋を見分ける」能力まで備えた機種を選ぶことで、業務の効率化と偽造券リスクの低減を同時に実現できます。
ここまで、紙幣計数機とマネーカウンターの違いや、計数精度・真贋判定といった性能のポイントを解説してきました。
最後に、実際にどの機械を選べばよいかを、用途別に整理します。
選定で軸になるのは、次の4つのポイントです。
1. 金種は混在しているか (混在 → 紙幣計数機 / 仕分け済み → カウンターでも可)
2. 合計金額まで自動で出したいか (出したい → 紙幣計数機)
3. 外貨や偽造券対策が必要か(必要 → 真贋判定対応の計数機)
4. 金種ごとの仕分けや向き揃えをしたいか(したい → 紙幣整理機能を持った2ポケット機)
自社の現場で「どんな状態の紙幣を」「どこまで処理したいか」を整理すれば、選ぶべきタイプはおのずと絞り込めます。
業種別のおすすめや、価格・機種ラインナップまで含めた具体的な選び方は、別記事「紙幣計数機の選び方【目的別】」で詳しく解説しています。機種の最終決定にあたっては、あわせてご覧ください。
紙幣計数機の導入を検討する際によく寄せられる質問をまとめました。
紙幣計数機は紙幣の金種を識別し、金種別の枚数と合計金額まで算出します。
一方、マネーカウンター(紙幣カウンター)は金種を識別せず、枚数のみをカウントします。
金種が混在した紙幣から金額まで把握したい場合は紙幣計数機、仕分け済み紙幣の枚数だけを確認したい場合はマネーカウンターが向いています。
新札や帯封券は表面がなめらかで密着しやすく、機械にとってはむしろ数えにくい紙幣です。
分離性能の低い機種では重送や紙詰まりが起きやすくなります。
ジェットチェッカーは全機種で、新品紙幣や帯封券のように密着した紙幣も安定して分離・搬送できるよう設計されています。
ジェットチェッカーシリーズは全機種で2024年7月発行の新日本紙幣に対応しており、新紙幣と旧紙幣が混在した状態でも同時に計数できます。
同じ金種であれば、新旧を区別せず同一の紙幣として計数します。
機種によります。
一般的な計数機やマネーカウンターは枚数を数える機能のみで、真贋判定は備えていないことが多くあります。
ジェットチェッカーは全モデルが真贋判定に対応しており、上位モデルのジェットチェッカーDPはECB(欧州中央銀行)の認証試験をパスする判定能力を備え、スーパーノートも検出します。
ただし、どのような機械でもすべての偽造券を100%検出できるわけではないため、運用面での確認との併用をおすすめします。
対応機種であれば、外貨も金種を識別して計数できます。
ジェットチェッカーは機種に応じて最大18通貨に対応し、どのモデルでも投入された紙幣の通貨を自動で判別して計数します。
う通貨が変わるたびに設定を変更する必要がありません。
金種別の枚数と合計金額が出れば十分なら1ポケット機、金種ごとの自動仕分けや紙幣の向き揃えといった紙幣整理機能まで使いたいなら2ポケット機が適しています。
2ポケット機はエラー紙幣を自動でリジェクトポケットに振り分けるため、計数を止めずに作業を続けられます。
ジェットチェッカーは、乾いた紙幣を正しくセットして使用すれば、紙幣詰まりはほとんど発生しません。
3交代制で24時間稼働する警備会社のキャッシュセンターでも、消耗部品の交換のみで長期間故障せずに稼働しています。
現在お使いの計数機の紙詰まりにお困りの場合も、ぜひご相談ください。
お客様の現場に合った機種選定のご相談を承っています。
扱う紙幣の種類や量、必要な機能をお聞きしたうえで、最適な機種をご提案します。