JETCHECKERコラム編集部
店舗型のビジネスをされている方は、少なくとも一度は「レジに入力されている金額より、実際にレジに入っている現金が少ない」という「レジの違算」に直面したことがあるかと思います。レジの違算が発生すると、店長も従業員もその対策に時間が終われるだけでなく、従業員との間の信頼関係にも影響します
以下では、レジの違算を減らすための対策を5つご紹介します。
レジの違算を減らす前に、なぜレジの違算が起こるのか考えてみましょう。
レジ入力は正しく行われ、計算ミスやおつり渡し間違えはないが、従業員がレジからお金を盗んでしまった場合です。
レジのシフト交代のたびに、レジを締めて、レジのドロワー内の現金と、レジに入力された数字が一致しているかを確認していれば「誰がシフトで入ったときに、現金が少なかったか」が分かります。しかし、営業終了後に一日一度レジ締めを行っている場合は、誰かを特定できません。このようなスキに付け込んで、現金を抜く誘惑に負けてしまう従業員は、実は多いのです。
お客様から受け取った現金を計算間違いしてしまい、気づかずに入金してしまった場合です。
例えば、お客様が「9,000円」をレジ係に渡し、レジ係も「9,000円」としてドロワーに入金したが、実は8,000円しかなかったというケースを想像してみてください。この場合、レジ締め時に「1,000円足りない」ことが判明します。
なお、数え間違いはレジ係の作業中だけではありません。レジを締めた後にドロワー内の紙幣・貨幣をチェックする際にも数え間違いは生じるため、こちらも注意が必要です。
お客様におつりを多く渡してしまう、または少なく渡してしまう場合です。
お客様におつりを「3,000円」渡すところを、誤って「4,000円」渡してしまった場合、お客様はおつりが多いことに気が付いても「言わなければばれない。ラッキー」と、そのまま1,000円多く持って帰ってしまうことがあります。
商品の代金、お客様から受け取った金額はどちらも正しいが、レジに間違った金額が入力されてしまった場合です。
例えば、「500円」の商品を販売する際、お客様から「500円」をもらって正しく決済されたのだが、レジには間違って「600円」と入力してしまった場合です。この場合、レジ締め時に「レジ入力と現金を比較すると、現金が100円足りない」ということになります。
レジ入力やおつりを渡す時、またはレジ締めの時に、紙幣や硬貨を紛失してしまった場合です。
特に、レジにお客様が何人も並んでいるときに、お金を落としてしまったがすぐに見つからない場合に多発します。この場合、レジ係は「後で探して拾おう」と思いますが、レジ対応に追われてそのまま忘れてしまい、自分のシフトが終わった後に、別のレジ係に引き継いでしまい、結果レジ締め時に「足りない」ことが判明します。
残念ながら、レジの違算が起こる最も多い原因のひとつは、レジ係による盗難です。よって、レジ係を「監視する」ことは大きな効果があります。
レジ係の挙動が見える形で監視カメラを設置し、「監視カメラが設置されているので、何か悪いことをしたらすぐに分かる」ことをレジ係全員に伝えておきましょう。監視カメラの設置は、「レジ係の一挙一動を監視して不正を防止する」ことに意味がありますが、同時に「悪事を働いていない真面目なレジ係を守る」という効果もあります。
レジに違算が発生したときに、「おまえが盗んだのだろう」「弁償しろ」などと威圧的に接することはやめましょう。このような態度を取ると、レジ係は店長や管理者に対する信頼を失い、早々に退職してしまうでしょう。採用難の時代に、このような対応をすると新規にアルバイトを採用するコストの方が高くなってしまいます。また、高圧的な対応を続けると、レジで違算が発生しても正しく報告されないことも増えるでしょう。
なお、レジで違算が発生した場合に、証拠なしに違算が生じた金額を従業員に支払わせる損害賠償請求は認められない可能性が高いため、ご注意ください。
特に混雑時や急がせるお客様が来られた時に注意したい点です。誰しも、「急がないと」と思うと、注意力が散漫になり確認が雑になります。雑になった結果、間違ったレジ入力をする、お金を数え間違えるといったミスにつながりかねません。
これを防ぐためには、お客様から受け取った紙幣・貨幣を2度数えることが有効です。急いでいるときに起こりがちな違算も、ダブルチェックすることで間違える確率を減らせます。
「2度手間で時間がかかるのでやりたくない」という方は、想像してみてください。会計のたびに2度数える手間とストレスよりも、違算が発生したときの手間とストレスのほうがはるかに大きいはずです。2度数える数秒の手間により、違算発生時の何十分、何時間という時間の浪費を防げます。
レジ交代時に、前の人が使ったドロワーをそのまま使ってレジ業務を開始する店があります。レジ交代時の引継ぎ時間を短縮するという意味ではよいですが、大きなリスクがあります。それは、「レジ締め時に、違算が発覚した際に、誰が違算を発生させたのが特定できない」という問題です。もしレジからお金を盗む不正を行う従業員がいたら、盗んだ犯人を特定できませんし、逆に無実の従業員を疑ってしまうことになります。
これを防ぐ1つの方法は、「レジ交代時に必ず、ドロワーを新しいものと取り換える」ということです。新たにレジに入るレジ係は、管理者が確認済の「まだ一度も入金・出金していないドロワー」を持ってレジに入り、交代するレジ係は自分が使ったドロワーを持って店のバックヤードに持っていきます。バックヤードで違算がないかを即座に確認すれば、誰がレジ係のときに違算があったかを特定できます。
レジを締め時に、レジのドロワーの中身を確認する際、確認する人の数え間違いにより違算が生じることがあります。人間の手は、紙幣を正しく、そして早く数えることが得意ではないので、どうしても間違いが生じることがあります。
当社の Jetchecker のような、紙幣を計算する専用の機械を使うと、こうした数え間違いを防げます。Jetcheckerは、ヨーロッパ中央銀行の認証を取得した高信頼・高性能の紙幣計数機で、すでにドイツの中央銀行である「ドイツ連邦銀行」、世界中で送金サービスを提供する「ウエスタンユニオン」、そして世界最大の商業銀行である「中国工商銀行」でも採用されています。大量の紙幣を正しく計数すると同時に、最大12か国の偽札を検知できます。
レジの違算を100%防ぐには、決済方法を「クレジットカード、ICカード、QR決済のみに限定」すれば実現できます。しかし、現金大国である日本において、現金を受け付けなければ、お客様の来店が減るため、現金お断りはまず不可能でしょう。
人材採用難の状況で、レジ係のスタッフと信頼関係を維持しつつ、レジの違算を減らすには「監視カメラや紙幣計数機 Jetcheckerの導入」といったハード面、「紙幣・貨幣を2度数え、レジ交代時にドロワーを交換する」といったオペレーション面、そして「威圧的にレジ係に接さない」というソフト面といった、多面的な対策が必要となります。
できるところから取り組んで、レジの違算を減らす努力を始めてみてください。