JETCHECKERコラム編集部
「インバウンド」という言葉が現在ほど騒がれていなかった2015年に、ディスカウントストア大手の「ドン・キホーテ」が打ち出した施策が話題になりました。外国人客が多いことから、外国語の店頭POPを活用し、積極的に免税対応を打ち出し、無料のWi-Fiを提供してきたドン・キホーテが打ち出したのが、外貨での支払いを受け付けたことです。
ドン・キホーテの外貨支払いを見習ってか、日本国内の小売店での外貨支払いは静かに広がりを見せています。では、もし「自分の店舗でも外貨支払いを受け付けたい」となった場合に、どのような点に気を付ければよいでしょうか。
では、外貨支払いを受け付けるメリットとは何でしょうか。メリットは、以下の3点となります。
日本を訪れる外国人観光客は、自国通貨を日本円にたくさん両替した場合、日本円を余らせてしまうと再両替時に手数料が取られて損します。よって、最小限の金額だけ日本円に両替しようと考えます。
楽しい日本旅行中に思ったよりお金を使った場合、外国人観光客は「財布の中に自国通貨は入っているが、日本円が足りない」という状態になります。日本円の現金が少ないと、「現金でしか払えない場所があるかもしれないから、できるだけ日本円を残しておこう」と考え、買い物や消費を控えてしまいます。
例えば、「あと日本円が1万円しかないから、欲しいものを全て買わず、買い物は5,000円までにして、残り5,000円は何かのために取っておこう」、または「追加で日本円に両替したいが、両替できるところが見つかるまでは買い物は控えよう」という考えになり、販売機会を逃してしまいます。
これがもし、外貨でも支払いOKです、となれば「財布に入っている自国通貨で支払いして、欲しいものを全て買って帰ろう」という判断になります。
どのようなお店であれば、クレジットカード支払いが安全かは国によって異なります。つまり、「どのような店でカードを使うと、カード情報をスキミングされ悪用される可能性が高いか」は、国により違うので、外国人観光客は日本の事情はよく分からないのです。このため、セキュリティ意識の高い外国人観光客は、「駅や空港などの交通機関」「大手のホテル」「有名百貨店」以外ではできるだけクレジットカードを使わないようにしています。
クレジットカードと違い、現金は「その場で支払ってしまえばそれで終わり」で、「情報が盗まれて悪用される」リスクがありません。もし、お店を経営されている方が「外国人観光客の方に、できるだけ多くの買い物をしてほしい」と思われるのであれば、外貨払いという安全なオプションを用意することで、お客さん当たりの支払い単価を引き上げることができます。
現金で支払うメリットの一つは、「支払った個人が特定・追跡されない」ということです。これがクレジットカードやICカード、QR決済であれば、「誰が、どこで、いつ、いくら支払ったか」が明らかになってしまいます。
例えば、「外国人観光客の男性が、日本滞在中に夜のお店でたくさんお金を使ったことを、奥さんに知られたくない」のはむしろ自然かもしれません。しかし、クレジットカードで支払ってしまうと、普段より明らかに多い金額がクレジットカード請求書に記載されてしまいます。
現金であれば、履歴を残し追跡されるリスクはありません。手元の日本円で払おうが、外国人観光客の自国通貨で払おうが、匿名性を完全に維持できます。
「なるほど、うちの店も外貨払いに対応するか」と思われた方が、外貨払い対応を始める前に注意したいポイントを5つご紹介します。
外貨払いに対応するリスクの一つは「偽札が使われるリスク」です。日本円紙幣と比べると、アメリカドルや中国元の精巧な偽札は多いため、悪意のある観光客が偽札で支払おうとする場合があります。5つのポイントの中で最も重要なのは、偽札を受け取らないという点です。
偽札を受け取らないようにするには、外貨を受け取った際にすぐに「偽札かどうか」を確認しなければなりません。手で触ったり、表面の模様を見るだけでは偽札であるかどうかを判断できないため、専用の機械を使う必要があります。
当社のJetcheckerでは、「中国元」「韓国ウォン」「台湾ドル」「香港ドル」「アメリカドル」「タイバーツ」「ユーロ」に加えて、「イギリスポンド」「カナダドル」「オーストラリアドル」「ニュージーランドドル」にも対応(外国人観光客の90%以上をカバー)。偽札かどうかを画像センサー、赤外線センサー、紫外線センサー、磁気センサーで瞬時に判別します。
当たり前のことですが、紙幣は正しく数える必要があります。しかし、日本円であれば当然のように正しく数えられる紙幣でも、外国の紙幣となると「数字を見間違える」「日本円と大きさや厚みが違うので、手作業だと数え間違える」といったリスクがあります。
Jetcheckerを用いると、偽札かどうかを判別しながら、同時に紙幣の合計金額がいくらかを瞬時に計算し表示します。慣れない外貨を手で扱いながら計算するよりも、はるかに安全かつ正確です。
当たり前のことではありますが、日本円と外貨の為替レートは毎日変わります。特に、「アメリカドル」「ユーロ」「中国元」といった主要な通貨以外は、日々の値動きが大きいため注意が必要です。レートを正しく確認しなかった場合、外貨を日本円に両替した際に損が出ることがあります。
よって、毎日インターネットで為替情報を収集し、そのレートに対して街中の両替所がどれくらい手数料を乗せているかを確認した上で、自店の両替レートを設定しましょう。良いレートを提示すると、お客様の消費意欲は高まりますが、両替時に損を出す可能性がある。逆に、悪いレートを出すと、お客様は明らかにぼったくられていると考えて消費意欲は減退しますが、両替時に為替差益がでる可能性があります。よって、「ちょうどよい」レートを見つけるのが重要です。
外貨で支払いを受けた場合、手元の外貨をそのまま取っておかず、日本円に両替される方がほとんどかと思います。レートが大きく動いて、為替差損を出してしまうことを防ぐため、定期的に日本円に両替することが望ましいでしょう。
この際に気を付けたいのは、外貨とはいえ多額の現金を持ち運ぶことになるので、できるだけ店舗から近い両替所で両替することが望ましいです。理想的には、近所にある複数の両替所のレートを比較して、有利なレートを提示している両替所で両替しましょう。
「外貨両替」といっても、例えば「アメリカドル」「ユーロ」だけでは明らかに不十分です。日本を訪れる外国人観光客は2018年には3000万人を突破していますが、「中国」と「韓国」だけで半数を超えています。次いで、台湾、香港、アメリカ、タイ、ユーロ圏を加えると約85%となります。
つまり、「中国元」「韓国ウォン」「台湾ドル」「香港ドル」「アメリカドル」「タイバーツ」「ユーロ」は最低限両替対応できるようにすべきです。実際、ドン・キホーテではこの7通貨を対応通貨としています。
また、外国人観光客1人あたりの日本滞在中の使用金額が多い、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの通貨にも対応すると、なおよいでしょう。
外貨払いのメリットならび、どのような点に気を付けて対応すべきかについてはご理解いただけたかと思います。そして、繰り返しになりますが、外貨払い対応で最も重要なのは「偽札を受け取らない」という点です。
当社のJetcheckerは、ヨーロッパ中央銀行から認証を取得し、ドイツの中央銀行である「ドイツ連邦銀行」、送金サービスの世界大手「ウエスタンユニオン」、そして預金額が世界で最も多い「中国工商銀行」で利用されている、信頼と実績を誇る製品です。外貨対応を検討するうえで、「偽札の検知」と「正確な計数」という点でお手伝いできます。ぜひご検討ください。