紙幣の表裏や上下を揃える作業を「紙幣の面揃え」といいます。
少量の紙幣であれば手作業でも揃えられますが、毎日まとまった枚数を扱う店舗や事業所では、表裏と上下を一枚ずつ確認する作業が大きな負担になることがあります。
2ポケット紙幣計数機「ジェットチェッカーDP」では、向きの異なる紙幣をリジェクトポケットへ振り分けることで、紙幣の面揃えを効率化できます。
最も手数の少ない基本手順では、表裏の選別と上下の選別を1回ずつ、合計2回計数します。振り分けられた紙幣を再度確認しながら処理する場合は、合計4回計数します。
この記事では、紙幣の面揃えを行う目的や手作業での方法、ジェットチェッカーDPを使った処理手順、100枚を処理する場合の理論上の計数時間について解説します。
紙幣の面揃えとは、複数枚の紙幣について、表裏と上下の向きを統一する作業です。
たとえば、紙幣の肖像が見える面をすべて同じ方向にし、肖像の上下も揃った状態にします。
紙幣の面揃えには、主に次の2つの工程があります。
・紙幣の表裏を揃える
・紙幣の上下を揃える
なお、紙幣の折れやしわを伸ばしたり、束の端をきれいに揃えたりする作業も、広い意味では「お札を揃える作業」に含まれます。
ただし、本記事で解説する面揃えとは、主に紙幣の表裏と上下の向きを統一することを指します。
紙幣の面揃えは、すべての店舗や事業所で必ず行わなければならない作業ではありません。
お客様自身が紙幣の向きを気にしないこともあり、取扱枚数が少ない店舗では、面揃えを行わない運用もあります。
一方で、百貨店、ホテル、金融機関、両替所、ブランド店舗など、現金の受け渡し方法や作業手順を統一している現場では、接客品質や現金管理の一環として面揃えが行われています。
向きの揃った紙幣は、向きが混在している紙幣に比べて、整った印象を与えやすくなります。
紙幣の面揃えを、お客様への気配りや丁寧な接客の一つとして取り入れている店舗もあります。
ただし、面揃えをしていないことが、直ちに失礼や接客上の問題にあたるわけではありません。店舗の方針や業種、お客様との現金の受け渡し方法に応じて判断する必要があります。
面揃えは、お客様に紙幣を渡す場面だけでなく、店舗内での現金管理にも役立ちます。
紙幣の向きが揃っていると、レジへの補充、金庫への保管、店舗間での現金移動などを行う際に、紙幣を扱いやすくなります。
複数のスタッフが現金を扱う現場では、担当者によって紙幣の整理状態に差が生じることがあります。
面揃えの基準や手順を決めておくことで、店舗や担当者ごとの作業差を減らし、現金処理の方法を統一しやすくなります。
数枚から数十枚程度の紙幣であれば、手作業でも面揃えできます。
一度に完全に揃えようとせず、この手順で機械的に作業すると、比較的短時間で正確に揃えることができます
まず、紙幣の肖像面などを基準にして、すべての紙幣の表裏を揃えます。
反対の面を向いている紙幣を見つけたら、紙幣を裏返して同じ面に統一します。
表裏を揃えた後、肖像や額面表示の位置を確認して、上下の向きを揃えます。
上下が逆になっている紙幣を180度回転させ、すべて同じ方向にします。
手作業で紙幣の面揃えを行う場合、一枚ずつ紙幣を見ながら、表裏と上下の両方を確認する必要があります。
さらに、現金を扱う現場では、面揃えだけでなく、次のような作業も発生します。
・紙幣の枚数を数える
・合計金額を計算する
・金種ごとに紙幣を仕分ける
・汚れや破損のある紙幣を確認する
・計数結果を再確認する
計数、金種仕分け、面揃えをそれぞれ別の作業として行うと、同じ紙幣を何度も手に取ることになります。
特に毎日まとまった枚数の現金を扱う現場では、面揃えそのものの時間だけでなく、計数後に再び紙幣を整理する作業が負担になりやすい点に注意が必要です。
一般的な1ポケットタイプの紙幣計数機は、計数した紙幣を1つのポケットへ送り出します。
これに対し、ジェットチェッカーDPは、計数した紙幣を受ける「計数済みポケット」と、指定した条件に該当する紙幣を振り分ける「リジェクトポケット」を備えた2ポケットタイプの紙幣計数機です。
面揃えでは、この2つの振り分け先を利用します。
向きが揃っている紙幣を計数済みポケットへ送り、反対向きの紙幣をリジェクトポケットへ振り分けます。
振り分けられた紙幣の向きを直して再びまとめることで、紙幣の表裏または上下を揃えられます。
表裏と上下をそれぞれ順番に選別することで、紙幣全体の向きを統一します。
ジェットチェッカーDPを使い、最も手数の少ない方法で面揃えを行う場合は、紙幣を合計2回計数します。
1回目で表裏を選別し、2回目で上下を選別します。
ジェットチェッカーDPを面揃え用の設定にし、表裏モードに設定のうえ紙幣を計数します。
表裏の向きが異なる紙幣は、リジェクトポケットへ自動的に振り分けられます。
計数済みポケットとリジェクトポケットに入った紙幣をそれぞれ取り出し、片方の束を裏返してから一つにまとめます。
これにより、紙幣の表裏が揃います。
表裏を揃えた紙幣を、今度は上下モードに設定を変更したうえ、もう一度ジェットチェッカーDPで計数します。
今度は、上下の向きが異なる紙幣がリジェクトポケットへ振り分けられます。
リジェクトポケットに入った紙幣を180度回転させ、計数済みポケットの紙幣とまとめます。
これにより、紙幣の表裏と上下の両方が揃います。
・表裏の選別:1回
・上下の選別:1回
・合計:2回
紙幣の状態が良く、振り分け結果の再確認を必要としない場合は、この2回計数が最も手数の少ない方法です。
面揃えの正確性をより重視する場合は、それぞれの選別工程でリジェクトポケットに入った紙幣を再度計数し、振り分け結果を確認します。
この場合、合計4回の計数を行います。
1. 紙幣全体を計数し、表裏を選別する
2. リジェクトポケットに入った紙幣を再度計数して確認する
3. 表裏が揃った紙幣全体を計数し、上下を選別する
4. リジェクトポケットに入った紙幣を再度計数して確認する
・表裏の本計数:1回
・表裏のリジェクト紙幣確認:1回
・上下の本計数:1回
・上下のリジェクト紙幣確認:1回
・合計:4回
4回計数する方法では、リジェクトポケットへ振り分けられた紙幣の中に、想定外の向きの紙幣が混在していないかを確認しながら処理できます。
基本的な2回計数が不正確という意味ではありません。
2回計数は最も手数の少ない基本手順、4回計数は確認工程を追加した手順と考えるとよいでしょう。
ジェットチェッカーは、最速毎分1100枚の速度で紙幣を計数できます。
毎分1100枚の設定で100枚を計数した場合、機械が紙幣を搬送する時間の理論値は、1回あたり約5.5秒です。
計算式は次のとおりです。
100枚 ÷ 1100枚 × 60秒 = 約5.5秒
この理論値をもとに、基本手順と確認重視手順の計数時間を計算すると、次のようになります。
| 計数回数 | 100枚の理論上の計数時間 | |
|---|---|---|
| 基本手順 | 2回 | 約11秒 |
| 確認重視手順 | 4回 | 約22秒 |
約11秒、約22秒という数字は、機械が紙幣を搬送して計数する時間の理論値です。
実際の面揃え作業では、次の時間が別途必要です。
・紙幣を紙幣取込ポケットにセットする時間
・計数済み紙幣を取り出す時間
・振り分けられた紙幣の向きを変える時間
・紙幣を一つの束にまとめる時間
・リジェクト紙幣を確認する時間
・紙幣を再セットする時間
そのため、「100枚の面揃え作業全体が必ず約11秒または約22秒で完了する」という意味ではありません。
紙幣の状態、計数速度の設定、リジェクトされる紙幣の枚数、作業者の操作などによって、実際の所要時間は異なります。
任意の枚数について、機械による理論上の計数時間を求める場合は、次の計算式を使用できます。
理論上の計数時間=紙幣枚数÷1100枚×60秒×計数回数
たとえば、200枚の紙幣を基本手順の2回計数で処理する場合は、次のように計算します。
200枚 ÷ 1100枚 × 60秒 × 2回 = 約21.8秒
確認重視手順の4回計数で処理する場合は、約43.6秒です。
ただし、いずれも最速毎分1100枚で計数した場合の理論値であり、紙幣の取り出しや再セットなどの作業時間は含まれていません。
基本手順と確認重視手順のどちらを選ぶかは、処理する紙幣の状態や、作業速度と確認精度のどちらを重視するかによって異なります。
・作業速度を優先したい
・紙幣の状態が比較的良い
・リジェクトの発生が少ない
・日常的な面揃えを効率化したい
・振り分け後に目視で状態を確認できる
・振り分け結果を再確認したい
・より確実な面揃えを重視したい
・紙幣の状態にばらつきがある
・リジェクトされた紙幣を個別に確認したい
・現金処理の確認手順が社内で決められている
作業速度を優先する場合は2回、確認を重視する場合は4回を基本として、現場の運用に合わせて使い分けるとよいでしょう。
紙幣計数機による面揃えは、すべての店舗に必要なわけではありません。
数枚から数十枚の紙幣をときどき揃える程度であれば、手作業の方が合理的な場合もあります。
一方、次のような現場では、紙幣計数機による面揃えを検討する価値があります。
毎日のレジ締めや売上金の集計で、何百枚もの紙幣を扱う場合は、手作業による面揃えの負担が大きくなります。
紙幣の取扱枚数が多いほど、計数と面揃えを同じ機械で行う効果を得やすくなります。
翌日の営業や各レジへの補充に備えて、一定枚数の紙幣を準備する店舗では、金種や向きを揃えた状態で紙幣を用意しておくと、その後の作業を進めやすくなります。
百貨店、ホテル、ブランド店舗、両替所など、お客様へまとまった枚数の紙幣を渡す機会が多い現場では、面揃えによって紙幣の受け渡し方法を統一できます。
面揃えだけを目的として高機能な紙幣計数機を導入すると、費用対効果が合わない場合があります。
ジェットチェッカーDPは、面揃え専用の機械ではありません。
混合金種の一括計数や金種別仕分けなど、日常的に発生するさまざまな紙幣処理をまとめて効率化したい現場ほど、導入効果を得やすくなります。
ジェットチェッカーDPは、紙幣の面揃えに加えて、次のような紙幣処理に対応しています。
複数の金種が混ざった紙幣をそのままセットし、合計金額、金種ごとの枚数、金種ごとの小計を一括で計数できます。
手作業で金種を分けてから数える必要がないため、売上金の集計やレジ締め作業を効率化できます。
指定した金種と、それ以外の金種を2つのポケットへ振り分けることで、紙幣を金種別に自動で仕分けられます。
計数後に紙幣を一枚ずつ確認しながら分類する負担を軽減できます。
読み取りにくい紙幣や対象外の紙幣などがあった場合は、計数を止めずにリジェクトポケットへ振り分けます。
エラーが発生するたびに機械を止め、紙幣を取り出して最初から数え直す作業を減らせます。
2ポケットの振り分け機能を利用して、紙幣の表裏と上下を順番に揃えます。
計数と紙幣整理を同じ機械で行えるため、計数後に改めて手作業で紙幣を揃える負担を軽減できます。
Q. 紙幣の面揃えとは何ですか?
A. 紙幣の面揃えとは、複数枚の紙幣について、表裏と上下の向きを統一する作業です。
紙幣の折れやしわを伸ばしたり、束の端を揃えたりすることとは、厳密には異なります。
Q. 1回の計数で表裏と上下の両方を揃えられますか?
A. 基本的には、1回目の計数で紙幣の表裏を選別し、2回目の計数で上下を選別します。
表裏と上下は別々に振り分けるため、最も手数の少ない方法でも2回の計数が必要です。
Q. 100枚の紙幣は何秒で面揃えできますか?
A. 最速毎分1,100枚で計数した場合、100枚を1回計数する理論上の時間は約5.5秒です。
2回計数する基本手順では約11秒、4回計数する確認重視手順では約22秒が、機械による計数時間の理論値となります。
ただし、実際の作業には、紙幣の取り出し、向きの変更、再セット、リジェクト紙幣の確認などにかかる時間が加わります。
Q. 2回計数と4回計数の違いは何ですか?
A. 2回計数は、表裏と上下を1回ずつ選別する基本手順です。
4回計数は、それぞれの工程でリジェクトポケットに振り分けられた紙幣を再度計数し、振り分け結果を確認する手順です。
Q. ジェットチェッカーSPでも面揃えできますか?
A. 紙幣を2つのポケットへ自動的に振り分けて面揃えを行う場合は、2ポケットタイプのジェットチェッカーDPを使用します。
ジェットチェッカーSPは1ポケットタイプであり、DPのような自動振り分けによる面揃え機能は搭載していません。
Q. 面揃えだけを目的に導入する価値はありますか?
A. 紙幣の取扱枚数が少なく、面揃えを行う頻度も低い場合は、手作業の方が合理的なことがあります。
ジェットチェッカーDPは、面揃えだけでなく、混合金種の一括計数、金種別仕分け、リジェクト紙幣の分離なども日常的に行う現場に適しています。
導入を検討する際は、面揃えだけでなく、計数、仕分け、確認を含む紙幣処理全体の作業時間で判断することが大切です。
ジェットチェッカーDPは、紙幣の面揃えだけでなく、混合金種の一括計数や金種別仕分けにも対応した2ポケット紙幣計数機です。
毎日まとまった枚数の紙幣を扱い、計数後の整理作業まで効率化したい店舗や事業所に適しています。
実際の面揃え動作や詳しい製品仕様については、ジェットチェッカーDPの製品ページをご確認ください。
自社の紙幣取扱枚数や作業内容に適しているか分からない場合は、現在の作業方法をお伺いしたうえで、適した機種や運用方法をご案内します。
すでに導入機種が決まっている場合は、注文フォームからご注文いただけます。