[紙幣計数機] 新紙幣リリース後のソフトウェアアップデート、本当に大丈夫ですか?

インバウンド観光客の急増に伴い、外貨に対応した紙幣計数機の需要も増加しています。市場では多くの製品が販売されており、多くの外貨両替店は「対応する通貨の多さ」と「価格」で製品を比較しているようです。ここでは、重要だが見落とされがちなもう一つの観点、「新紙幣が発行された後のアップデート」についてお知らせします。

 

 

新紙幣アップデートとは何か

新紙幣アップデートとは何か

日本では、2024年に2,000円札を除く紙幣の刷新が行われる予定です。紙幣の刷新は20年ぶりのことであり、20年前では実現不可能だった偽造防止のための新たなテクノロジーが盛り込まれる見込みです。このような紙幣のアップデートは定期的に、世界中の通貨で行われています。

紙幣が刷新されると、当然、紙幣計数機も対応が必要となります。具体的には、紙幣計数機の中に入っている「紙幣を検出するためのソフトウェア」をアップデートし、新紙幣の情報を追加する必要があります。ソフトウェアを更新しなければ、新紙幣にはいつまでたっても対応できないので、この新紙幣対応は紙幣計数機メーカーにとって欠かせないアクションといってよいでしょう。

新紙幣対応のためのソフトウェアアップデートは、おおむね2つの方法で行われます。1つは、USBやSDカードなどのメディアに、新紙幣に対応したソフトウェアを入れ、物理的にアップデートを行うという方法です。もう1つは、紙幣計数機をインターネットに接続し、新紙幣対応ソフトウェアをダウンロードするという方法です (パソコンやスマートフォンのソフトウェアアップデートと同じ方法です)。

アップデートしたソフトウェアをインストールし、紙幣計数機を再起動すれば、新紙幣への対応完了です。再起動後、すぐに新紙幣の判別が可能となります。

 

 

メーカーは世界中の新紙幣を追いかけて対応できるのか?

メーカーは世界中の新紙幣を追いかけて対応できるのか?

ここで、1つの問題があります。「紙幣計数機メーカーは、世界中の新紙幣アップデートを常に把握して、アップデートを出し続けられるのか」という点です。

例えば、日本で設計開発されている紙幣計数機の中には、「国内と海外の両方で販売されている紙幣計数機」と、「国内のみで販売されている紙幣計数機」の2つに分かれます。海外でも販売されている紙幣計数機は、海外の販売店や顧客経由で「今後このような新紙幣が発行される予定だ」と情報収集ができ、海外ネットワークを生かしたソフトウェア開発とテストが実施できます。当社の紙幣計数機「ジェットチェッカー」は、台湾のメーカーが製造し、日本を含めて世界中で販売されている紙幣計数機であるため、USD, EUR, CNY, JPYといった通貨以外の対応も迅速に行うことができます。

これに対して、「国内のみで販売されている紙幣計数機」は、自国であるJPYへの対応は得意ですが、それ以外の通貨の対応が不得意である場合が往々にしてあります。紙幣に搭載される偽造防止技術は日々進化しているため、紙幣計数機メーカー側もこれにキャッチアップして対応を行っていかねばなりません。しかし日本では、国内向けの製品が多数で、海外向けの製品を作っているメーカーの数が非常に少ないため、紙幣の偽造技術について十分な知識を持つ技術者の数が少ないのです。ここ最近導入された新紙幣、ならび今後の導入予定のごく一部を紹介しますが、紙幣計数機メーカーはこうした新紙幣全てに対応する必要があります。

  • 2013年: EUR (5 Euro)
  • 2014年: EUR (10 Euro)
  • 2015年: EUR (20 Euro)
  • 2016年: AUD ($5)
  • 2016年: GBP (£5)
  • 2017年: AUD ($10)
  • 2017年: EUR (50 Euro)
  • 2017年: GBP (£10)
  • 2018年: AUD ($50)
  • 2018年: HKD ($20, $30, $100, $500, $1,000、発行元はHSBCなど3銀行)
  • 2019年: CNY (1元、10元、20元、50元)
  • 2019年: AUD ($20)
  • 2019年: EUR (100 Euro, 200 Euro)
  • 2020年: GBP (£20)
  • 2020年: AUD ($100)
  • 2021年: GBP (£50)
  • 2024年: JPY (1,000円、5,000円、10,000円)

この場合、社内でエンジニアを確保できない紙幣計数機メーカーは、自社の紙幣計数機に新紙幣情報を搭載させることができず、以下の2つの結果となってしまいます。

  • 海外の紙幣計数機メーカーから、新紙幣対応ソフトウェア(プログラム)を購入し、そのプログラムを自社の紙幣計数機に乗せ換えるための開発を行う。
    • 開発が後手に回り、新紙幣が発行された後も、数ヶ月~1年程度、既存の紙幣計数機では新紙幣に対応できないことになる。
  • 既存の紙幣計数機に対する、新紙幣対応ソフトウェアが提供されない(以後利用できなくなる)。
    • この場合、紙幣計数機メーカーは海外メーカーの機種を輸入して名前だけ変えて「新製品が出たので、こちらに移行してください」と誘導します。

どちらのケースとなっても、新紙幣が対応できない期間が生じて業務に支障をきたしたり、余計なコストを負担させられるのは顧客側となります。

 

 

「外れ」を引かないための3つの質問

「外れ」を引かないための3つの質問

こうした事態を避けるためには、紙幣計数機を購入する前に、メーカーや販売店に対して、以下の3つの質問を行うのがよいでしょう。

  1. 今後予定されている国内外の新紙幣にはどのようなものがあるか
  2. 新紙幣に対するアップデートは、いつ、どのように提供されるか
  3. アップデートを開発する企業の名前、ならび、世界中にネットワークがあるか

 

まず、質問1ですが、紙幣計数機を販売する会社の担当者は、新紙幣に関する情報ならびスケジュールを把握しておく必要があります。担当者が把握していなければ、新紙幣に対応するための積極的なアクションは期待できません。これは、国内で開発している企業だけでなく、海外製品を輸入販売している企業でも同じです。

次に質問2ですが、各種の新紙幣に対して、いつ頃対応のアップデートが提供されるかの確認です。

最後に質問3では、開発元の確認です。これは、国内メーカーであれ、海外メーカーであれ、世界中にネットワークがあり、最新情報を把握しながら開発を進める必要があります。このためには、顧客は国内だけでなく海外にもいる必要があります。具体的にどのような顧客に導入されているかについて、口頭レベルでも構わないので確認するのもよいでしょう。

 

 

ジェットチェッカーは世界中で使われる台湾メーカー開発製品

ジェットチェッカーは世界中で使われる台湾メーカー開発製品

当社のジェットチェッカーは、台湾で開発が行われ、広く世界中で利用されている紙幣計数機を、当社が日本で正常に動作するようテストした上で販売・サポートを行っています。

  • 最大18通貨対応
  • 世界最大手銀行を含む、複数の大手金融グループでの採用実績
  • 送金サービス世界最大手企業での採用実績
  • ヨーロッパの中央銀行での採用実績
  • その他多くの中小金融機関、非金融機関での採用実績

 

世界中での顧客ネットワーク網を持ち、また大手金融機関からの厳しい要求に応え続けるために、ジェットチェッカーは社内に新紙幣に対応する技術者チームを持ち、世界中の新紙幣アップデートに対して迅速に更新プログラムを出し続けています。

製品採用時には、「導入価格が安い」「対応通貨が多い」だけでなく、「新紙幣対応をきちんと行えるメーカーか」を質問を通じて判断していただければと思います。